断酒が一週間続いた人はいますか?
断酒や禁酒を頑張っている人は、お酒が止まってから約一週間前後に危険が迫ってきます。
実際に、アルコールを辞めてから一週間ほどで、再飲酒に至ってしますケースは多々あります。
なぜ、一週間ほどが危険なのでしょうか?
それは、本人の想像以上に体調が改善されるからです。
体調の改善が気分の高揚につながり、そのまま飲酒へとつながってしまうのです。
今回は、その矛盾した飲酒の危険性とその対策方法を解説します。
この記事は
・お酒を辞めて数日が経った人
・お酒を辞めて数日後に体調が改善し飲酒欲求もないと感じている人
に向けて書かれています。
目次
飲酒欲求は1週間くらいが最も強い
断酒をしている人が再飲酒をしてしまう危険な時期は、お酒が止まってから約一週間ほどの時期です。
ここでは統計的なデータはありませんが、私の実感として多くの人がこの時期にお酒を飲んでしまっています。
そもそも、アルコール依存症者として医者に宣告されていない人でもお酒で失敗して断酒を決意する人は多くいるでしょう。
そして、その決意は最初の数日から1週間ほどは継続します。
しかし、この間に体調は改善され、過去の記憶や共に飲んでいた人々の評価も変化していきます。
そうなると自分で許してしまうのです。
「これだけ辞められたのだから、もう飲んでいいだろう」と。
自分一人の判断によって、再飲酒を始めればまた同じような失敗を繰り返します。
これは早かれ遅かれ確実にやってくる事実です。
アルコール依存症者は特に、勝手な判断でお酒の問題をコントロールしたと思わないように気を付けましょう。
アルコール依存症にとって危険な時期は、お酒を辞めてから1週間ほどです。
感情や身体の快適さに注意が必要
アルコールを辞めて一週間ほどが経つと、ほとんどの人が体験することがあります。
「なんて気持ちの良い朝だ!」
これまで、毎日のようにお酒を飲んできた人は毎朝が二日酔いで不快でだるい気分を引きずっています。
しかし、お酒を数日辞めるだけでも人の体調は劇的に改善します。
ここで改善するというのは、一過性の体調と気分のことです。
朝起きると非常にスッキリと起きられます。
これまでの頭痛やだるさに悩まされることはないのです。
体調が良くなると自然と気分も良くなるものです。
まさに、「断酒最高!」という気分にすらなります。
自分自身でも全く飲酒欲求を感じることはなく、断酒も思ったよりも簡単だとすら思えてきます。
実は、この状態こそが飲酒の危険な引き金になるのです。
「数日お酒を飲まないだけで、こんなに体調が改善するならまだお酒を飲めるだろう」という考えはご法度です。
なぜなら、アルコール依存症とはあらゆる手法で、お酒を飲ませる厄介な相手なのです。
この体調の改善と気分の高揚こそがアルコール依存症の貴方を飲ませる手口なのです。
お腹が空いてラーメンに入り、何事もなかったかのようにビールを注文し飲んでしまう。
こういった事例は数多くあるので注意が必要です。
勢いでお酒を飲まないように実践できること
気分の高揚によって、勢いでお酒を飲まないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
この問いには感情面と行動面と二つの回答があります。
気分の高揚が「一時的な感情だと理解」することと、「飲んでいた時と同じ行動をとらない」ということです。
ここから詳しく解説していきます。
一時的な感情だと理解する
お酒を辞めて一週間がたち、非常に気分が良い。
人間の気分や感情など一日のうちに何百、何千回と変わります。
もちろんネガティブな感情よりも、うきうきとしたポジティブな感情の方が良いですが、あまりに感情が高まりすぎると飲酒をしてしまうという危険性が高まってしまいます。
多くの人が、お酒を飲んでいたシチュエーションは結婚式や同窓会、友人達とのパーティーなど楽しいイベントだったはずです。
楽しい気分をさらに高揚させるために、何杯ものお酒を飲んできたのではないでしょうか。
まずは大きく深呼吸。
このウキウキとした感情を自分の中だけでかみしめるように楽しみましょう。
飲んでいた時と同じ行動をとらない
飲んでいた時と同じような行動をとらないようにするのも、再飲酒を避けるコツとなります。
当然のことですが、お酒が物理的になければ飲酒をすることはありません。
しかし、お酒があると自分が気を付けていたとしても飲酒してしまうのがアルコール依存症者です。
したがって、再飲酒を避けるためには物理的にアルコールを避ければよいのです。
お酒を飲んでいた時によく行っていた場所はどこですか?
居酒屋ですか、スナックですか。
気分が高揚すると、なぜか飲酒の欲求が無くても自然とお酒に手が伸びてしまうものです。
お酒を飲んで気分をさらに高揚させたいと思い通っていたような場所に行く、あるいは人に会うのは避けましょう。
アルコールに問題があることを忘れない
大事なのはいつでも、自分がアルコールに問題があるということを忘れないこと。
どんなに体調や感情が改善されたとしても、アルコール依存症自体は治りません。
「治らない」と聞くと絶望的な気持ちになるかもしれませんが、もうわかっていますよね?
少しでもお酒を止めれば、すぐに体調も感情も改善されるということを。
お酒を止めることが素晴らしいことだと感じられたのであれば、この素晴らしい毎日を継続するためにも高揚したときであれ、落ち込んだ時であれ、自分がアルコール依存症であることを忘れてはいけないのです。
自分がアルコール依存症であることで、気を病む必要はありません。
アルコール依存症者に限らず、誰にでも秘めた問題は抱えているものなのですから。