あなたが再飲酒をしてしまった原因を、あなた自身は知っていますか?
この問いに答えられるのであれば、再飲酒はしていません。
実は断酒を初めたばかりの人々にとって、お酒から距離を取ることを意識することは難しいものではありません。
常に「お酒を飲んではいけない」と心の中で言い聞かせているからです。
しかし、お酒から距離を取ったとしても、再飲酒の原因となるトラップはそこら中に仕掛けられています。
その一つが食事です。
私たちの周りには飲料としてのお酒以外にも、多くのアルコールで囲まれています。
そういった食品や料理などにも気を付けておかなければ、再飲酒の原因になってしまいます。
この記事を読めば、無意識のうちにアルコールを口にしてしまう危険を避けることが出来るようになります。
この記事は
・再飲酒をしないようにアルコールを遠ざけたい人
・食品に対して注意を払っていない人
に向けて書かれています。
目次
依存症者は細胞レベルでアルコールを覚えている!?
アルコール依存症の人の身体は細胞レベルで、飲酒を欲求しているという事が言えるくらい無意識的にもお酒を欲しています。
再飲酒をしてしまった多くの人が、「なんの違和感もなく、ただ自然」にお酒を飲んだと言っています。
習慣的なのか細胞レベルでお酒を欲しているのか、それは科学的な証明できる部分ではありません。
しかし、大事なことは、依存症者が無意識にもお酒を欲しているという事です。
しかも、その反応はちょっとしたきっかけによるものです。
少しでもアルコールを想起させるものは、即再飲酒の原因となってしまいます。
そして、その「ちょっと」は、アルコールの風味や匂いでも起こります。
HALTのH(ハングリー)、空腹は再飲酒をしてしまう危険なシチュエーションでもあります。
しかし、口の中に入れる食事には最新の注意が必要です。
アルコールが入っている意外な食品
アルコールの風味や匂いが再飲酒を誘引してしまうのであれば、あらかじめ自分から遠ざけておく必要があります。
そのためには、アルコールが入っている食品を知っておくことは大事です。
意外にもアルコールが入っている食品を紹介します。
もちろん、ここでは紹介しきれない食品も多数あります。
しかし、数点の食品でも知っておけば、似たような食品にアルコールが含有されていないか疑う事は可能になります。
料理酒
まずは料理酒です。
こちらは当たり前の事ですが上げさせてもらいました。
料理酒そのものはアルコール飲料です。
依存症時代にお酒が無くて、料理酒を飲んだという人もいるでしょう。
料理酒をここで取り上げたのは、日本食であれ洋食であれお酒を使った料理が多く存在するという事です。
料理酒そのものに対しては注意していたとしても、料理酒を使った料理にはなかなか注意がいかない場合もあります。
調理がしてあっても、風味や匂いを感じるとすぐに飲酒の欲求が発生します。
料理酒を使った料理には十分に注意が必要です。
みりん
みりんも料理酒同様にアルコール飲料です。
私はアルコール依存症がひどいときには、みりんを一気飲みした記憶もあります。
さて、このみりんも料理の味付けに多く使われる調味料です。
みりんを使用した料理もアルコールの風味があるため、食した瞬間に飲酒の欲求が湧いてしまうという事もありえます。
みりんを使っている料理には注意しましょう。
醤油
醤油の中にはアルコール分が含まれている種類が存在します。
醤油は日本人の多くが毎日のように口にします。
醤油をそのまま使用したり、熱を通したりと使い方は様々です。
ただし、少量のアルコールでも、依存症の人は過敏に反応します。
そのため、醤油を購入するときは原材料でアルコールが入っているかどうかを必ず確認し、アルコールが入っていない商品を選びましょう。
チョコレート
アルコール入りのチョコレートに気を付けましょう。
アルコール依存症からの回復期に甘いもの、特にチョコレートを食べたくなる人はかなり多いです。
これは身体がお酒からの糖分を得られなくなったために、糖分を欲しているからでしょう。
もちろん、普通のチョコレートなら問題はありません。
しかし、チョコレートの種類によってはアルコールを入れた大人用のチョコレートも存在します。
例えばウィスキーボンボンなどは良い例です。
チョコレートを購入する際にも、原材料を確認しましょう。
最近のチョコレートはアルコールが入っていることを大きな文字で明記しなければならなくなっています。
チョコパイ
チョコパイは最も注意すべきお菓子です。
チョコパイやケーキのスポンジ部分には「酒精」と書かれたアルコールが含有されていることがあります。
アルコール分は特に高いものではありませんが、風味はかなりのものです。
チョコパイで酔っ払うという事はないですが、その風味でアルコールを思い出し、再飲酒してしまう可能性があります。
チョコパイなどのスポンジのあるお菓子を買う時は原材料を確認しましょう。
「酒精」と書いているお菓子は要注意です。
アルコール分0%でも匂いを感じたら避けるべき
アルコール分が0%であったとしても匂いを感じたら避けるべきでしょう。
アルコールの風味だけでも、過去の飲酒時代を思い出し再飲酒の引き金になってしまいます。
例えば、甘酒は子供でも飲める飲料であり、アルコール分はほとんどありません。
しかしながら、「酒」という言葉がつくことと、酒かすを使っていることによるアルコール風味は再飲酒の引き金になります。
そういった意味では、ノンアルコールビールでさえ飲酒時代を思い出し再飲酒の引き金になるのです。
依存症者は細胞レベルでもアルコールに反応すると覚えておきましょう。
それが科学的なエビデンスがあるかどうかというよりも、それくらい用心することに越したことはないのです。
料理の研究をするのも回復への道
趣味としてでも、生活をするためでも、料理の研究をすることは回復への道でもあります。
これまでに、アルコールが含まれている食品や、お酒の風味がある食べ物の紹介をしてきました。
食品を購入するときには原材料の確認をしてアルコールを避けましょう。
また、料理を研究することによって、料理酒が使われている料理を知るようにしましょう。
アルコール依存症の回復の道のりは、新たな趣味などに打ち込むことで1日ずつ積み重ねていくものです。
アルコールを避けるために食料品や料理に詳しくなったついでに料理を趣味にしてみるのも良いでしょう。
新しい趣味を持つことで、新しい世界が開けてくるのです。
外食を避けて自炊することは、お金の節約にもなります。
まとめ
断酒中には飲酒欲求が湧いてくるタイミングはしばしば訪れます。
HALTの中には、H(ハングリー)と言って、空腹状態は危険なシチュエーションだと注意喚起されています。
食事をすることは再飲酒を避けるのに有効ですが、きちんと料理の内容を知っておかなければ危険になる場合もあります。
料理の中には、料理酒を使用しているものや酒精入りの調味料を使用してるものもあります。
もちろん、アルコール分が抜けている料理であっても、そのアルコールの風味が飲酒欲求を呼び覚ましてしまうことがあります。
料理酒はもちろんのこと、みりんや醤油、チョコレートやチョコパイなどもアルコールの風味が入っています。
アルコールが画乳されている料理や調味料をあらかじめ知っておけば、その料理を意図的に避けることが可能になります。
食事をする際には、その料理にアルコールが入っているかどうかを事前に知っておきましょう。
特に冠婚葬祭で提供される料理の中には、アルコール分が入っているものが多い傾向があります。
小さな注意が大きな問題からあなたを守ってくれます。
食事にも気を使って、今日一日をアルコール無しで過ごしましょう。