アルコール依存症者が回復のたまに絶対に守らなければいけない原則は、アルコールに手を出さないこと。
当たり前のことだと思いますが、このシンプルな原則に常に戻ることが最も大事なことです。
ほとんどのアルコール依存症者がそんなことはわかっていると思っていることでしょう。
しかし、このシンプルな原則を忘れて飲んでしまった人も多いはずです。
単に「飲まない」ということを認識していたとしても、飲んでしまうのはこの原則を妨げる要因があるからです。
大事なのはこの原則を妨げている要因は何なのか、認識しておくことです。
そして、アルコール依存症者がお酒を止め続けるために大事な思考法は「今日一日」という考え方と「断酒をするのは自分のため」であるという考え方です。
この記事ではアルコール依存症者がお酒を止め続けるための1つの絶対的な原則と2つの思考法を紹介します。
最後まで読めば、お酒を辞め続けるための思考方法が身に付きます。
この記事は
・アルコール依存症から回復したいけれども方法がわからない人
・アルコールの問題で苦しんでいる人
・日々の生活を「生きずらい」と感じている人
に向けて書かれています。
目次
アルコール依存症者は何があってもアルコールを飲んではいけない
冒頭でも書いた通り、アルコール依存症者は何があってもアルコールを飲んではいけないという原則があります。
鉄則と言っても良いかもしれません。
実はこのシンプルな原則をわかっていても飲んでしまう原因は自分自身だけではなく、外部的な要因が大きく関係しています。
外部的な環境とは自分自身を取り巻く環境のことを言います。
大きくは社会の政治や経済、家族関係友人関係、会社での人間関係などです。
例えば、今は景気がいいから、今は景気が悪いからなどのように社会的な要因はアルコール依存症者の気分を大きく揺さぶります。
気分が高揚していても、逆に落ち込んでいてもアルコール依存症者はお酒を飲む言い訳に転換するのです。
これは経済的な大きな要因だけではなく、冠婚葬祭などのような近しい人との関係でも変わりません。
アルコール依存症者にとっては、近しい人の不幸や幸福もお酒を飲む言い訳になってしまうのです。
しかも、これら冠婚葬祭では儀式的に、または礼儀や文化的にもお酒が勧められます。
「今日は特別な日だし、一杯だけなら」という思考は捨て去らなければなりません。
一杯飲み始めたら、もう止まりません。
それはアルコール依存症であるあなたが一番理解していることでしょう。
「何があってもアルコールを飲んではいけない」という原則はあらゆる社会的な要因によって、言い訳を与えてしまうのです。
いつでも、「飲まない」という原則に立ち返るようにしましょう。
アルコール依存症者が実行すべき2つの思考
アルコール依存症者が守らなければならない原則は「何があっても飲まない」こと。
しかし、この原則を順守することが困難になるのは、社会的な要因によって自分自身の思考が複雑になってしまうからです。
そのために、「何があっても飲まない」という原則に立ち返るためのコツとなる2つの思考法を紹介します。
それは「今日一日」という考え方と「断酒をするのは自分のため」という考え方です。
実はこの2つの思考法こそ、何があっても飲まないという原則に立ち返らせてくれる便利な道具なのです。
ここからはこの2つの思考法に関して詳しく説明していきます。
今日一日は飲まない
断酒を継続していくために必要な思考法は「今日一日」飲まないでいるということです。
医師からの診断によって「この先、一生飲むことは出来ない」という思考や、「この先何年も飲まないでいよう」という思考はあまりにも遠い未来を考えすぎていて、気が滅入ってきてしまいます。
そんな遠い未来のことを考えるよりも「今日この一日」を飲まないでいることを心掛けてみましょう。
飲酒欲求が湧いてきたら、「今、この一瞬」は飲まないでいることに集中します。
あなたが今この記事を読んでいる瞬間は、飲まないでいられていますか?
この一瞬やこの一日を続けていくことが何より大事です。
大昔である昨日のことや、遠い未来の明日のことは関係ありません。
大事なのは「今日一日」、「今、この一瞬」です。
どんなに辛くても1日は過ぎていきます。
まず第一歩目は「今日一日」なのです。
お酒を飲んでいる時は、面倒な仕事や家事などを「後で、後で」と、先送りしていませんでしたか?
お酒を飲むのも一日だけ先送りしてみませんか?
断酒をするのは自分のため
アルコール依存症者にとって、もう一つ大事な思考は「断酒をするのは自分のため」ということです。
この考えからは自分を中心に据えているため、自己中心的だと思われる人がいるかもしれません。
しかし、ここでの意味は決して自己中心的な考え方ではありません。
お酒を飲まないという行為が決して他人のためなのではなく、自分のためなのだという考え方にシフトしようということです。
もちろん、多くのアルコール依存症者はどん底時代に多くの人に迷惑をかけてしまったために断酒を決意した人がいるでしょう。
そのため、断酒をすることは傷つけてしまった人や迷惑をかけてしまった人、あるいは愛する人のためであると考えている人もいます。
しかし、この考え方は結局、自分ではなく変えることが出来ない他人が関係してきてしまいます。
アルコール依存症者の考え方の特徴として、人の言動や行動が自分の納得のいかないものだと大きく感情を揺さぶるものになってしまうことになってしまいます。
「私は頑張って断酒しているのに…」、「断酒を頑張っている私を認めて…」などのように他人からの理解が得られなければ、怒りや憎しみの感情さえ生まれてきます。
こういったネガティブで強い感情こそ再飲酒へと導いてしまうのです。
他人の行動や言動、ましてや考えや感情などは誰にもコントロールは出来ないのです。
そんなことよりも、断酒することは自分のためであり、自分ために回復を優先させるという思考法を守ることが大事です。
あなたの人生を生きるのは他の誰でもなく、あなた自身です。
アルコール依存症からの回復のプロセスを楽しもう
「今日一日」という考え方と「断酒をするのは自分のため」という思考法によって、何があってもお酒を飲まないという原則を守ることがより容易になります。
しかし、この思考法であっても、自分を取り巻く環境や自分自身の中で苦しいことや悲しいことはたくさんあります。
自分自身が設定した目標に届かない、生活のためのお金が稼げない、などなど。
お酒を辞めるという過程は自分の経験の蓄積でもあり、その蓄積は成長へともつながっています。
飲んでいたころは全ての経験をリセットしていたと思います。
だって記憶が無いのですから。
断酒を一日継続すれば一日分の経験は蓄積されます。
成長しているのです。
最終的な目標は人ぞれぞれ違うでしょう。
目標を達成したときには至上の喜びが待っていることでしょう。
しかし、目標を達成した時にしか私たちは喜べないのでしょうか。
そうではありません。
目標を達成しようとする過程にも喜びや楽しみはあるのです。
今日一日、目標を達成するため素面で生活することを楽しみましょう。
アルコール依存症からの回復の目的は「今日一日」を素面で生きる目的であり、その営みは楽しめる過程でもあります。
断酒を始めた初期の頃は、辛い時期が続くこともあるでしょう。
しかし、その苦しみの先には、多くの幸せと希望があります。
そんな、回復後の素晴らしい生活を紹介している記事を以下に紹介します。