依存症のリハビリ期間は非常に暇な時間が増えます。
そんな、時には思い切って新しいことやこれまでに挫折してしまった事に挑戦するべきです。
なぜなら、暇な時間に何もすることが無いと再飲酒の原因となってしまうからです。
中でも、英語の勉強をするのはとてもおすすめです。
もちろん、すでに英語をマスターしている人もいるでしょう。
そんな方にはこちらの記事はおすすめではありません。
英語を話す人は世界基準で言えば、最も人口が多い言語です。
英語を必須とする考え方は、グローバル化が進む世界では更に加速することが予想されます。
ビジネスにおいても日常生活においても、英語を話せるようになればより多くの人とコミュニケーションが取れるようになります。
しかも、英語の学習は日々の積み重ねが非常に大事であり、依存症のリハビリも同様に1日1日が大事になります。
暇な時間を英語の学習で埋める事で、今日一日を飲まないで過ごすことも可能になるのです。
この記事では、アルコール依存症や薬物依存症に苦しむ人は英語の学習をすることで得るメリットを紹介していきます。
この記事は
・依存症のリハビリ中で、暇な時間が増えた人
・再就職するにあたり、何らかのスキルを身につけたい人
に向けて書かれています。
目次
依存症のリハビリ期間は暇な時間が増える
依存症のリハビリ期間は非常に暇な時間が増えるのは、誰もが経験する事実です。
実際に、私たちの多くはアルコールを飲んでいる時間や薬物を使用している時間に人生の大半を割いていました。
そのため、この習慣が急になくなることで時間を持て余すことになってしまうのです。
これまで、仕事とお酒や薬以外にやることが無かった人で他に趣味が無かった人にとって、この暇な時間を過ごすのは非常に困難です。
それでは、リハビリ期間中に暇な時間を埋めるにはどのような方法があるのでしょうか。
暇な時間を潰すのもリハビリの一つ
暇な時間を何らかの形で潰すのもリハビリの一つだという事をここではお伝えしておきましょう。
リハビリを始めて暇な時間が出来ると、とりあえず寝て過ごすという事はありませんか?
ベッドの上で寝付かれてボーっとしながら、スマホでも観て過ごしている人はいませんか?
実は、リハビリ期間中にただ単に酒や薬を我慢している状態というのは非常に危険な状態です。
暇な時間が増えると、依存症者の多くは将来の不安を覚えたり、過去の失態などを思い出したりするなどネガティブな感情に陥りがちです。
ネガティブな感情はすぐにお酒や薬に手が伸びてしまう状態になります。
暇な時間を何らかの「行動」によって潰せば、ネガティブな思考を停止させる効果もあります。
したがって、暇な時間を何らかの「行動」によって潰すのもリハビリの一つになるのです。
アクティブに身体を動かしたい人には筋トレがすすめです。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
英語の勉強はお金がかからない
この記事でおすすめしている暇つぶしは英語の学習です。
なぜなら英語の学習にはお金がかからないからです。
もちろん、英語学校の様に、本格的に英語を勉強するという場合には学費はかかってしまいます。
しかし、そもそも私たちは日本語の勉強を学校で「国語」として勉強することはあっても、日常会話まで教えてもらうことはありません。
基本的には親との会話や友達との会話で学んでいくのです。
つまり、日本語が話せるようになるまで、お金をかけていません。
依存症者の多くはお酒や薬に大部分の財産を使ってしまっているため、経済的にも非常に困難な状況に置かれている場合があります。
その点で、英語の学習に関しては無料で勉強するツールが多く存在しています。
ここでは何点か、無料で勉強できる方法を紹介します。
英語の映画や音楽で勉強する
英語は映画や音楽でも使用されています。
映画を観ながら、音楽を聴きながら英語を集中して聞いてみることも英語の勉強になります。
好きな俳優の好きなセリフを真似して発声してみたり、好きな曲を歌ってみたりすれば自然と英語は身に付きます。
アルコール依存症のリハビリ中なら、アルコール依存症への興味は湧いているはずです。
映画や音楽の選択はアルコール依存症に関するものにするのも方法です。
アルコール依存症を問題にしている映画はたくさんあります。
また、アルコール依存症から回復したアーティストがそのプロセスや苦しみを歌詞にしている場合もあります。
映画や音楽を通して英語を勉強すれば、「楽しみ」として、「学習」として、「アルコール依存症のリハビリ」としても役に立ちます。
一石三鳥です。
断酒をしてから暇な時間が増えたら、アルコール依存症をテーマにした映画や音楽で英語を学びましょう。
英会話専門のYouTube動画で勉強する
英語の学習はYouTubeの動画でも可能です。
英語の学習を軸にYouTubeでコンテンツを配信している人は多くいます。
YouTubeの動画を観ることは、ネット環境にあれば無料です。
多くのチャンネルがあるので、色々と観てみて自分に合ったチャンネルを登録しておくとよいでしょう。
特にこれらのチャンネルの多くは、英語の学習だけではなく、貴重な海外の情報や一般の人々の文化も教えてくれます。
世界を知り教養にもなるのです。
英語専門ブログなどのテキストコンテンツで勉強する
英語の「読み・書き」はネット上のブログや英字記事でも可能です。
インターネットは世界中のコンテンツにアクセスできる非常に便利なツールです。
英語の学習に特化しているページもありますし、勉強方法を教えてくれるページもあります。
これらを組み合わせれば、英語の勉強は無料で出来ます。
ある程度の英語力がつけば、海外初の英字新聞も読めるようになります。
最新の海外情報を得ることにもつながります。
スマホの無料英会話アプリで勉強する
パソコンが無くても、スマホを持っていれば無料アプリで英語の勉強をすることが可能になります。
スマホの英語学習アプリの多くは、英語の学習や演習に特化したサービスです。
そのため、ブログやYouTubeなどよりも効率の良い勉強が可能になります。
スマホに英語勉強用のアプリをダウンロードして、利用するのも良い方法でしょう。
英語の辞書も無料アプリが提供されています。
無料の辞書をスマホにダウンロードしておけば、いつでも英語から日本語、日本語から英語への翻訳が可能です。
Google翻訳もありその精度は向上していますが、2021年現在では実用は難しいのが現状です。
英語の辞書は、Google翻訳に頼らない方がよいでしょう。
英語の参考書で学習する
当然の事ですが、英語の参考書で学習するのも方法の一つです。
英語の参考書を購入するにはお金がかかりますが、過去に使っていたけど本棚にしまわれている参考書や、古本屋にある参考書ならそこまでお金もかかりません。
英語の参考書なら、インターネット環境が無くても英語の勉強ができます。
どの参考書を選んでも、その質は保証されています。
日本国内の英語教育はそれだけ制度が高いものです。
まずは、英語の参考書から学んでみましょう。
インターネットで英語を勉強するときの注意点
インターネットは無料で英語を勉強するためには非常に便利な道具でが、注意点もあります。
それは、高額な授業料の英語学校に加入してしまうこともあることです。
YouTube、ブログ、アプリの全てに英語の特別教材や英語学校に誘導するためのページも多く存在しています。
これらは詐欺ではなりませんが、高額な料金を支払う必要があります。
ある程度、経済的な余裕があるのであればよいのですが、とりあえず無料で英語を勉強するのであれば注意しておきましょう。
英語学校に行けば、独学で学習するよりも効率的に英語能力を向上させることができます。
ただし、日本には数多くの英語学校が存在します。
きちんと吟味してから選択するようにしましょう。
依存症者が暇な時間を利用して英語の勉強をするメリット5つ紹介
依存症者が暇な時間を利用して英語を勉強するのには、上記で紹介してきたネガティブな思考を停止させるという以外にも多くのメリットが存在します。
これは、依存症ではなくても当たり前のことだと思われるかもしれません。
ここでは、依存症からの回復を軸にして英語を学習するメリットを紹介していきます。
具体的なメリットは以下の通りです。
- 外国人との交流ができる
- 人前で話す時に緊張しなくなる
- 日本語よりも素直に表現できる
- 海外の自助会に参加できる
- 英語はビジネスでも役に立つ
メリット①外国人との交流が出来る
当たり前のことだと思われますが、英語の勉強をすれば外国人との交流が出来るようになります。
外国人との交流は今後、間違いなく増えていくシチュエーションです。
グローバルな世界では英語を用いた外国人とのコミュニケーションを取れなけば、仕事の範囲は非常に狭まってしまいます。
したがって、英語の勉強は外国人とのコミュニケーションだけではなく、仕事にも影響していくのです。
外国人との交流は日本以外の文化や慣習を学ぶことにもつながりますので、世界観が広がります。
自分独自の趣味を持つコミュニティーにも参加することが可能になります。
日本人だけでは人口も少ないですが、英語を勉強し海外にも視野を広げれば参加出来るコミュニティーが大きく広がっていくのです。
メリット②人前で話す時に緊張しなくなる
英語で話すことは勇気が必要不可欠です。
特に英語を習いたての時に初めて実践的に外国人と話す時は緊張してしまうものです。
日本人と欧米、特にアメリカ人とではかなり文化が異なります。
アメリカ人の多くは初対面でも、非常にフレンドリーに話します。
しかし、日本人は初対面が苦手な人は多く存在しています。
一度壁を破ってしまえば、片言の英語でも意外とコミュニケーションが取れてしまうものです。
片言の英語で外国人とのコミュニケーションを行っていく過程で、いつの間にか度胸がついていきます。
多くの人が注目する会議の席やプレゼンテーションなどのビジネスでも、日常生活におけるパーティーの席でも緊張することなく話が出来るほどの度胸もついていきます。
メリット③日本語よりも素直に表現できる
外国語は日本語と異なり、感情を入れることが出来ないので素直になれます。
素直に自分の経験を語ることは、回復のための重要な要素です。
日本語は感情も入ってしまうため、なかなか素直に自分の経験や感情を表現することが出来ません。
日本語を母語として生活している人は、英語を勉強すると第二外国語となります(または第三、第四)。
第二言語である英語の場合は余計な恥ずかしいなどの感情が入らないため、素直に経験や感情を表現することが可能になります。
例えば、人に対して「愛してる」と率直に言えますか?
もちろん、言える人もいるでしょうが日本人にはなかなか恥ずかしくて言えない言葉です。
ところが、「I Love You」なら簡単に言えませんか?
不思議なことに第二言語であれば、自分の素直な感情を照れたり恥ずかしがったりすることなしに表現が出来るようになるのです。
自助会やカウンセリングなどでは、あなた自身の物語を素直に語ることをプログラムの一つとしています。
あなたの母国語では素直に語ることが難しくても、外国語であれば素直に語ることも可能になります。
メリット④海外の自助会に参加できる
英語の勉強をしておくと、海外旅行に行ったときにAAなどの自助会に参加することも可能になります。
日本ではあまり有名ではないAAなどの自助会は欧米をはじめとして、世界基準では非常に有名なミーティングです。
お酒や薬に問題があり、回復を望んでいる人は誰でも参加が出来ます。
しかし、どこでこの自助会が行われているかを調べるためには英語が必要です。
また、ミーティング会場に着いたら、最低限の英語を話さなければなりません。
英語を話すことが出来れば、海外の自助会に参加することも可能になるのです。
私は英語の勉強のために海外の自助会に参加しましたが、新しい発見がありました。
それは国境も違い文化や歴史、言語も違う人々が私と全く同じ経験をしているという事です。
アルコール依存症に国境は関係ないのです。
メリット⑤英語はビジネスでも役に立つ
英語を勉強しておくことはいつか何かの役に立ちます。
特にビジネスにおいて、英語の習得はあなたの市場価値を高める大きな要素です。
「英語を勉強しよう」、「英語を勉強しなければ」というモチベーションを持っている人には当たり前の事のように思えるでしょう。
英語を勉強しておけば、再就職にももちろん役に立ちます。
また、既に会社に就職している人にも海外進出の大きなチャンスが急にめぐってくるかもしれません。
英語の勉強が役に立つのは、ビジネスやお金を稼ぐという点だけではありません。
旅行にも役に立ちますし、世界的なイベントのチケットを手に入れるときにも役に立ちます。
英語を勉強しておけば、あらゆるシチュエーションで役立てることが可能になるのです。
世界の見方も変わり、頭脳も明晰になります。
依存症からの回復も英語の勉強も1日にしてならず
英語の勉強は一夜漬けでなんとかなるものではありません。
日々の積み重ねが必要となります。
お酒を飲んでいる時は、その時の感情や勢いで英語の勉強を始めようとした方もいることでしょう。
しかし、結果はどうでしたか?
1日で終わりませんでしたか?
そして勉強の「お疲れ一杯」を始めてしまえば、一夜漬けの勉強の蓄積も全てリセットされてしまいます。
そんな自分に絶望し、結局学習を続けることが出来ないというのが多くの人々の陥るミスです。
しかし、リハビリ中の暇つぶしのために1日1日を英語の学習に充てて継続していけば、吸収した知識が全て失われるという事はありません。
知識は必ず脳の中に蓄積されていくのです。
断酒も大事なのは今日一日です。
今日一日の積み重ねが回復へと導くのです。
英語の勉強もコツコツと続けるものです。
依存症の診断を受けた人の中には脳のCT検査を受けた人もいるのではないでしょうか?
私は30歳代の時に受けましたが、脳年齢の診断は70歳代でした。
しかし、その後断酒と学習を続けていくことによって、脳年齢も年齢相応にまで回復しました。
英語の学習よりも断酒の継続の方が脳の回復を助けた要因として影響は大きかったでしょう。
しかし、私個人の感想としては、1年前よりも明らかに英語のスキルが上がっていることを実感しています。
リハビリと英語の学習を二つに一つとして考えていきましょう。
依存症は治療を続ければ必ず回復していきます。