「お酒を飲むと人が変わるし」と他人に言われたことや、「1杯のつもりが、ついつい飲みすぎる」という経験がありませんか。
お酒の問題を指摘された時や、自分一人で悩んでいる場合に気になるのは、「もしかして私はアルコール依存症なのでは?」ということです。
アルコール依存症を疑ったとしても、判断の方法がないと思っていませんか。
医者に相談するほどの症状でもないし、医者に行くにはお金もかかるし少し恥ずかしい。
そんな人でも、一人でアルコール依存症のチェックをすることは可能です。
この記事では、アルコール依存症かどうかを個人でチェックする方法を紹介します。
この記事を読めば、自分のアルコールの問題を自分自身で解決出来るようになります。
この記事は
・アルコール依存症なのではないか?と、疑問を感じている人
・お酒の飲み方に問題があると感じている人
・アルコール依存症かもしれないけど、医師やカウンセラーに相談したくない人
・うつ病や不安感、ストレスに困っている人で自身を客観視したい人
に向けて書かれています
目次
アルコール依存症かどうかは医師が診断する
そもそもアルコール依存症であるかどうかは医師の診断によります。
したがって、名目上は医師に診断された人はアルコール依存症ですし、されていない人はアルコール依存症ではありません。
しかし、問題なのは医者に行っていない人はそもそも診断などされませんし、医師の診断を受けた人であってもその症状や兆候は診断される前から見られることです。
当然のことですが、アルコール依存症は身体を傷つけることが多くありますが、ガンや骨折などのように外科的な手術で治療や診断が出来るものではありません。
しかも、アルコール依存症が「否認の病」と呼ばれるほど、本人自身がアルコール依存症であることを認めたがらないのです。
そのため、専門病院の統計予想によると日本国内で潜在的なアルコール依存症の人は80万人程度いると言われています。
医師によって診断されたアルコール依存症患者の他にも数多くの人が、同じような症状を持っていることを示しています。
医者に行かなくても1分でアルコール依存症のチェック出来る
アルコール依存症かどうかは、医者に行かなくてもチェックは出来ます。
すでに日本国内でもアルコール依存症の研究は進んでおり、セルフチェックが行える簡単なテストも用意されています。
WHO (世界保健機構)が出しているチェックテストも有名ですが、この記事を読んでいる日本人の人には久里浜医療センターが行っている「新久里浜式スクリーニングテスト」をおすすめします。
このテストは日本で最も古くからアルコール依存症の治療と回復を専門としてきた病院です。
男性用と女性用とに分かれています。
ここでは、その両方とも挙げておきますので、自分自身でチェックしてみましょう。
すべて「はい」か「いいえ」で答えたあと、判定を見てみましょう。
新久里浜式スクリーニングテスト男性用
- 食事は1日3回、ほぼ規則的にとっている。
- 糖尿病、肝臓病、または心臓病と診断され、その治療を受けたことがある。
- 酒を飲まないと寝付けないことが多い。
- 二曰酔いで仕事を休んだり、大事な約束を守らなかったりしたことが時々ある。
- 酒をやめる必要性を感じたことがある。
- 酒を飲まなければいい人だとよく言われる。
- 家族に隠すようにして酒を飲むことがある。
- 酒がきれたときに、汗が出たり、手が震えたり、いらいらや不眠など苦しいことがある。
- 朝酒や昼酒の経験が何度かある。
- 飲まないほうがよい生活を送れそうだと思う。
新久里浜式スクリーニングテスト女性用
- 酒を飲まないと寝付けないことが多い。
- 医師からアルコールを控えるようにと言われたことがある。
- せめて今日だけは酒を飲むまいと思っていても、つい飲んでしまうことが多い。
- 酒の量を減らそうとしたり、酒を止めようと試みたことがある。
- 飲酒しながら、仕事、家事、育児をすることがある。
- 私のしていた仕事をまわりの人がするようになった。
- 酒を飲まなければいい人だとよく言われる。
- 自分の飲酒についてうしろめたさを感じたことがある。
新久里浜式スクリーニングテストの判定基準
男性の方の判定基準はチェック項目に4つ以上の「はい」がある人はアルコール依存症の疑いがあります。
女性に関しては3つ以上に「はい」があった場合はアルコール依存症を疑う必要があります。
自分で疑問に思ったらすでにアルコールの問題がある
自分自身でアルコール依存症を疑った人は、既にアルコール依存症かもしれません。
「新久里浜式スクリーニングテスト」の中には直接的に触れられていませんが、このテストにはもう一つ重要な問いが前提としてあります。
それは「もしかしたら自分はアルコール依存症なのか」という問いです。
このテストを行う人の多くは病院に駆け込んだ人やカウンセリングを受けた人です。
しかし、今このブログを読んでテストを行った人は自分自身がアルコール依存症なのではないか、と自分自身を疑っていたはずです。
残念なことに、そういった人は既にアルコール依存症なのかもしれません。
それはこの記事を読んでいるあなたが最も理解しているはずです。
中にはアルコール依存症でないことを祈りながら、チェック項目を答えた人もいるかもしれません。
しかしながら、アルコール依存症は「否認の病」。
つまり、多くの人が認めたがらない病気なのです。
今現在は回復し日々の生活を送っている人々が良く口にするのは、「実は気づいてはいたけれども、直視することを避けていた」ということです。
でも、大丈夫です。アルコール依存症は回復しますから。
問題を認識することは解決の第一歩
アルコール依存症からの回復やアルコールの問題を解決するには、まず初めに問題を認識することから始めなければなりません。
自分にアルコールの問題があると認める、と言ってもよいでしょう。
当然のことではありますが、問題を認識しなければ原因も解決策も導き出すことが出来ないからです。
そのため、問題の認識こそが回復や解決への第一歩となるのです。
チェックテストでアルコール依存症の疑いがあるほどのポイントを取ってしまった人でも、落ち込む必要はありません。
問題を認識した人は、すでに解決の一歩目を歩み始めているのですから。
アルコールの問題を解消するためには早期がカギ
アルコールに問題がある人は、その期間が長ければ長いほど問題は先送りされるだけではなく、多くの問題を抱えてしまうことになります。
失職、借金、家族の崩壊、離婚などアルコール依存症者が、アルコールを原因として起こしてしまうトラブルは数限りなくあります。
したがって、アルコール依存症は早期に問題を認識し改善の努力を始めることが大事になります。
すでに、多くのトラブルを起こしてしまっている人も大丈夫です。
「早期」という言葉は決して他人と比較してのことではありません。あなたにとっての「早期」です。
あなたにとっての「早期」とは今です。
今始めれば遅くはありません。
「うつ」や「不安」を自分でチェックして評価する方法
アルコール依存症だけではなく、「うつ」や「不安」をチェックすることも大事です。
アルコール依存症になってしまう原因には、日々のストレスによる精神的な疲れがあります。
何となく仕事に行くのが辛い、朝起きても疲れが取れていない、などの症状が出たことはありませんか?
うつ病とアルコール依存症は二つに一つであり、うつ病を和らげるためにお酒を使う人は多くいます。
うつ病ほど自分自身で認識できない病気は無いでしょう。
病院に行く事が出来ない人や、他人の助けを求めることが出来ない人は評価テストをやってみましょう。
これから紹介するのは、アメリカにある「不安うつ治療センター」や「認知療法センター」で実際に使用されている評価テストです。
自分自身でやってみれば、誰かに見られることもありませんので安心です。
この評価表を定期的に行うことで、自分自身の「うつ」や「不安」の状態の推移を客観的に見れるようになります。
自分自身の状態を客観的に把握する事が、精神的な疲れを認識することに繋がります。
こちらの評価表はデニス・グリーンバーガー、クリスティーン・A・バデスキー著『うつと不安の認知療法練習帳』創元社より引用しています。
うつの評価チェックテスト
以下に「うつ」の評価をするための、質問を上げていきます。
全ての質問に対して、正直に4つの段階で答えてください。
それぞれにポイントを用意していますので、全てを合計した数値が現在のあなたの状態です。
「まったくなかった=0」「ときどきあった=1」「何度もあった=2」「ずっとそうだった=3」
このテストは定期的に行って、自分の状態がどのように変化しているか時系列で確認できるようにしましょう。
それでは、チェックテストの質問をしていきましょう。
- 悲しい気分、落ち込んだ気分
- 罪悪感
- いらだたしい気分
- いつもしている活動や興味や楽しみがあまり湧かない
- 人と会いたくない
- いつもより何かをするのが辛い
- 自分には価値が無いと思う
- 悪い問題にばかり目が向く
- なかなか決断ができない
- 自殺を考える
- 繰り返し死ぬことを考える
- 自殺する計画を長時間考えている
- 自己評価が低い
- 未来に絶望する
- 自己批判的な思考
- 疲労感、倦怠感
- 大幅な体重減、食欲減退(ダイエットによるものは除く)
- 睡眠の変化ー不眠、そのほか何らかの睡眠異常
- 性欲減退
不安の評価チェックテスト
「不安」も「うつ」と同様に自分自身の評価をすることが可能です。
全ての質問に対して、正直に4つの段階で答えてください。
それぞれにポイントを用意していますので、全てを合計した数値が
「まったくなかった=0」「ときどきあった=1」「何度もあった=2」「ずっとそうだった=3」
以下が不安感をチェックする評価テストです。
- 神経質になる
- いろいろなことが心配になる
- 身体がびくついたり、ぶるぶると震えたりする
- 筋肉がこわばって痛む
- 落ち着かない
- 疲れやすい
- 呼吸が浅い
- 心臓の鼓動が早い
- 熱くないのに汗をかく
- 口が渇く
- めまいがしたり、頭がふらついたりする
- 吐き気や下痢。胃の調子が悪い
- ひんぱんに尿意をもよおす
- 頬が紅潮したり、悪寒がしたりする
- ものを飲み込むときにのどが詰まる感じがする
- 興奮してむずむずする
- ものに驚きやすい
- ひとつのことに集中しにくい
- なかなか眠れなかったり、すぐに目が覚めたりする
- いらつく
- 不安になりそうな場所を避ける
- 危険なことをよく考える
- 自分にはものごとに対処する力がないと思う
何か恐ろしいことが起こるとよく考える
まとめ
今回は、アルコール依存症および、不安やうつのチェックテストや評価表を紹介しました。
近年では精神的な病気やアルコール依存症も病気と認められています。
この認識は日本国内でも徐々に広がりつつある認識だと言ってよいでしょう。
精神的な病気は、判断が難しく社会的な評判もあるため、医者に相談することに恥を感じる方もいます。
恥ずかしさなどの感情によって、医師やカウンセラーに相談する事ができない方は簡易的にチェックテストを試してみましょう。
医者やカウンセラーを訪れる手間もありませんし、他人に知られるリスクもありません。
あなただけで、あなた自身と語り合う機会をもたらします。
これらのチェックテストを試した後で、医師やカウンセラーに相談するのも良いでしょう。
自分自身を客観的に知ることが、アルコール依存症やうつ症状から回復するための第一歩です。