依存症の治療中、失敗に陥りやすい原因が何なのか知っていますか?
それは、人間関係です。
実はこの古くて悪い人間関係を切り離さない限り、依存症からの回復はかなり困難になってしまいます。
私は多くの依存症の治療時に再飲酒や再発をしてしまった人を知っています。
その原因の多くが、直接的にも間接的にも人間関係によるものでした。
それでは、この人間関係をどのように変化させていけば良いのでしょうか?
この記事では人間関係を改善させるための方法を解説します。
この記事を読めば、再飲酒や再発の主な原因となる人間関係を再構築させることが出来るようになります。
この記事は
・再飲酒を何度もしてしまっている人
・悪縁を断ち切る方法を知りたい人
・断酒をして新しい人生を楽しく生きたい人
に向けた書かれています。
目次
依存症になる原因のほとんどが人間関係
依存症になった原因。
または、依存症からの回復中に再発してしまったのは、ほとんどがあなたが持っている人間関係が原因です。
人間個人の考え方は、一番近い距離にいる5人とかなり似てきます。
もしも、周りにいる人の多くが、お酒を飲むことが好きで頻繁にお酒を飲むのなら、あなたも彼ら同様にお酒を飲むことが多くなるでしょう。
そんな身近な人々とは、年収でさえも似通ってきますし、恋愛に対する考え方も似てきてしまうのです。
自分自身で断酒の誓いを行ったとしても、そういった人々との関係が切れていない間は断酒を継続することが難しくなります。
彼らの前で断酒の宣言を行ったとしても、あの手この手で言い負かされてしまうのです。
依存症者にとって、再発は人生の終焉を意味します。
もしも、あなたが本気で依存症からの回復を願うのであれば、これまでの飲み友達のような人間関係は全て切り捨てる必要があります。
本物の友人で、あなたの事を本当に心配してくれる方なら、断酒を継続していけば必ず元の人間関係に戻ります。
断酒を継続し回復をするなら人間関係の断捨離が必要
断酒やクリーンを継続して回復をしていくのであれば、人間関係の断捨離を行う事をおすすめします。
部屋を掃除するという文脈で流行したこの「断捨離」という言葉ですが、人間関係の改善にも用いることが出来ます。
人間関係の断捨離を行えば、あなたの回復にとって最適な環境を整えることが出来るようになるのです。
もしもこの人間関係の断捨離をすることなくだらだらと過去の人間関係を続けていけば、回復することもなく地獄のような日々を続けていかなえればならないのです。
人間関係は回復の道を閉ざしてしまう大きな原因なのです。
もちろん、今現在の人間関係を断捨離してしまうことは、怖さを伴います。
しかし、古くて依存症を引き続かせてしまうような人間関係を断捨離することで、人生は好転していきます。
勇気を出して、断捨離していきましょう。
人間関係の断捨離とは?そのやり方
では、そもそも断捨離とは何か?
2010年に流行語大賞を取ったこの言葉。
言葉が単純な解釈で独り歩きしている感もあります。
多くの方が勘違いしているように、断捨離は単にモノを捨てるという事ではありません。
その意味を解説し、その上で、具体的な方法を紹介していきましょう。
「断」とは入ってくる悪縁を断つということ
断捨離の「断」は、あなたの中に入ってくるであろう悪縁を断つという事です。
いくら悪縁を切ろうとも、新たに入ってくる悪縁を避けなければ人間関係は改善しません。
そのため、あなたの悪癖も改善することはありません。
依存症の人はとかく、スリルが好きな傾向があります。
ここでいうスリルとは、ギャンブルや刹那的に命を危険にさらすような行為ではなく、危険な人間関係を求めるという事です。
人間関係によって自分を取り巻く環境を悪くしないためにも、まずはご自身の周りに入ってくるであろう悪縁を避けるようにしましょう。
「捨」とは悪縁を捨てるということ
次の「捨」とは悪縁を捨てるという意味を持っています。
「断」とは異なり、「捨」は既に持っているモノを捨てるという事です。
依存症者にとっては、あなたが抱えている人間関係を捨てるという事を意味します。
あなたが依存症の時代を過ごしてきた人々にはどのような人がいますか?
あなたの断酒宣言やクリーン宣言を快く受け止めてくれていますか?
実は、多くの再飲酒者や再発者は、昔の人間関係につながりを求めてしまってどん底まで叩き落とされてしまっています。
「寂しさ」や「仲間」を求めて過去の人間関係に逃げ込むことが、結果として最悪の結末を迎えるという事も珍しくはありません。
今現在ある悪縁は全て捨てる覚悟が必要です。
「離」とは古い執着から離れるということ
最後の「離」とは古い執着から離れるという意味があります。
未来からの悪縁を断ち、過去の悪縁を捨てることが出来れば、やがて自分自身の執着からも自由になれるでしょう。
誰でもわかっていることですが、過去を変えることは不可能です。
しかし、人間はそんな過去に執着してしまう生き物です。
過去の成功体験や、過去の自分を愛でてくれるような人間関係に執着してしまうのです。
しかし、日々の生活で回復を目指し、新しい人生を送ろうと心がければ古い執着は消えていきます。
その状態になれば、常に自分が生きる環境に新しい風を吹かすことが出来て、再飲酒や再発から身を遠ざけることも可能です。
断捨離を行う時は徹底的に容赦なく躊躇なく
断捨離を行う事は、そんなに簡単ではありません。
この過程を簡単に切り抜けられるのであれば、依存症になどなっていないのかもしれません。
したがって、断捨離を行う時はそれ相応の覚悟を持って臨まなければなりません。
ここからは、人間関係の断捨離の具体的な方法を紹介していきましょう。
常連だった店に行ってはいけない
断捨離を行う際は、過去に常連で会った店や場所に行ってはいけません。
もしかしたら、過去の友人たちがあなたを歓迎してくれるでしょう。
その歓迎は当然の事として、飲酒へとつながります。
「自分はもう大丈夫だ」というような慢心もいけませんし、自分をテストしてみるような行為は厳禁です。
自分を過信して結局のところ、過去の友人にそそのかされて飲酒してしまうという事は多くの人が経験しています。
自分が再飲酒をしてしまいそうな場所に行くことは避けましょう。
携帯電話のメモリーから悪縁は全て消す
携帯電話のメモリーから、過去の悪縁を全て消すという作業は行わなければなりません。
携帯電話は便利な分、過去の人間関係とすぐにつながってしまうアイテムです。
もしかしたら、自分から相手に連絡してしまうこともあります。
もしも、断捨離の決意がついたのであれば、まずは「あ行」から、これまでの経験を思い出し不要な人間関係であれば削除しましょう。
私はこの方法を試して、メモリを削除していったところ、家族や血縁関係と少ない友人だけになりました。
数にして、2000件以上あったメモリーが数十件になりました。
しかし、全てのメモリーを削除した時、非常にスッキリとした気分になることが出来ました。
また、自分自身にとって必要な人間関係が分かった気がしました。
断捨離を行う時は、躊躇することなく携帯電話のメモリーを削除してきましょう。
SNSからの削除も忘れずに
SNSからの悪縁の削除も忘れずに行いましょう。
現在は他人と連絡を取る場合に携帯電話のメモリーだけではなく、lineなどのメッセンジャーアプリやFacebookやInstagramなども利用します。
SNSでもダイレクトメールが送れるようになっています。
相手との関係を一切切るためにはSNSの方も削除しておかなければいけません。
必要とあれば、一切連絡がつけられないような設定もしておきましょう。
SNSを削除するのは、連絡を取らないようにするという事だけではありません。
悪縁のSNS投稿を見るだけでも、過去の事を思い出してしまい気分を害すことすらあります。
不要な投稿を目にすることを避けるためでもあるのです。
断捨離の際には必ずSNSからも悪縁を断ち切りましょう。
あなたを回復に導くのはまだ会った事のない誰か
依存症者にとって、過去の悪縁や未来からの悪縁、嗜癖への執着は危険な要素です。
人生のどん底に再度落とされてしまうか、最悪は人生の終焉を迎える可能性すらあります。
そのため、依存症からの回復に必要なのは、悪縁の無い快適な環境です。
回復を本気で目指すのであれば、人間関係の断捨離を行いましょう。
最初は苦しい作業ではありますが、終わった後は清々しい気分になりますし、自分にとって本当に必要で大事な相手が誰なのかわかります。
そして、人間関係の断捨離を行う事は新たな良質な人間関係を築くきっかけにもなります。
実はあなたを回復へと導くのは、既に知っている人ではないかもしれません。
あなたを回復に導くのは、あなたがまだ会っていない誰かかもしれません。