証券外務員一種試験の学習は、1ヶ月から2ヶ月ほどの学習で十分に合格することができます。
しかし、資格試験を受けるのは時間がある学生だけではありません。
仕事をしながら資格の取得をする会社員の方もいることでしょう。
今回は、証券外務員一種資格試験に一発合格した筆者が、実際に学習したスケジュールを具体的に紹介します。
筆者自身は金融関係の資格はFPと簿記を所持していますが、金融業界で働いているわけではありません。
そういった意味では素人ですので、0から学習をはじめる方でもスケジュール通りに勉強すれば合格できます。
目次
証券外務員一種試験の具体的なスケジュール
証券外務員一種試験の具体的なスケジュールを紹介します。
筆者の場合は、学習をはじめてから45日目に試験本番を迎えたため、45日間のスケジュールです。
1日の学習時間は約2時間、合計で90時間の学習時間です。
ただし、学習期間が異なっても、学習内容は変わりません。
もしも、1ヶ月以内に合格したいと思うのであれば、以下のスケジュールの学習内容を1ヶ月に圧縮すればよいだけです。
それでは、筆者がおこなった学習スケジュールです。
1日目はテキストを問題集を購入することから
学習の1日目は、なにがあろうがテキストと問題集を購入することでしょう。
テキストと問題集を新しく購入するだけでもモチベーションは上がります。
内容をざっと見て、どの程度のボリュームがあるのか確認します。
全部で18章に分かれていますが、それぞれの内容や難易度は異なります。
本番でも各章ごとのボリュームと難易度は反映されますので、スケジュールを組む際には、どの章を重点的に学習するか目星を付けられます。
今回の試験で私が使用したテキストと問題集はコチラです(『うかる 証券外務員一種2020-2021 フィナンシャルバンクインスティテュート編』日本経済新聞社出版)。
使用後なので付箋などがついていますが、そこは気にしないでください。
どちらも2,100円程度です。
お金を抑えたい方は、問題集だけでも購入してください。
最初の1週間はテキストを1回読んでみる
初めの1週間はテキストを一通り読んでみます。
合計で18章に分かれていて、すべての章は専門用語で書かれています。
最初はまったく頭に入ってこないかもしれませんが、一通り読むことで何となく証券業務の内容や金融業の仕組みも頭に残ります。
また、1周すべて読むことで、どの分野がどのくらいのボリュームで、計算問題が提出されるのか暗記が大事なのか当たりをつけておきます。
計算問題は練習が必要なので、まずは呼み飛ばしていきましょう。
先ほど紹介したテキストなら、複雑な証券業務の仕組みも図解で分かりやすくなっています。
また、要点や論点も一覧表としてまとめてくれているので、とても分かりやすいです。
中身は以下のような感じです。
10日目までに学習のスケジュールを決定
最初の1週間でテキストの内容を一通り把握したところで、学習のスケジュールを立てましょう。
テキストを読んだことで、どの分野を集中的に学習すればよいのか理解しているはずです。
18章の内で重点的におこなうべき部分や、暗記をしていく部分を選り分けます。
その後、設定した試験日(今回の場合は45日目)から逆算してスケジューリングすると明確です。
20日目までに問題集を1回全て解いてみる
スケジュールを組み立てたら、きちんとスケジュールに沿って学習を継続させていきましょう。
筆者の場合は、1日に2~3章ごと終わらせていったので、9日ほどで問題集を1周しました。
問題集で間違えてしまった問題と問題自体が分らなかった部分をチェックしておけば、何度でも復習できます。
問題集をすべて終わらせると、自分の苦手分野や理解していなかった部分も浮き上がります。
ここで、分からない問題が多かったとしても落ち込む必要はありません。
本番で70%以上の正解をすればよいのです。
間違えた問題に関しては、問題集の回答と解説を確認して、さらにテキストで概要も確認します。
そして、再度問題を解いてみます。
このプロセスを繰り返すことで、記憶が定着していき理解もされていきます。
最初は全体像が理解できなくても、とにかく問題とテキストの往復を繰り返せば自然と理解できるようになります。
30日目までに問題集を記憶するくらいに繰り返す
30日目までには、問題集の〇×問題は暗記してしまうくらいに繰り返し学習しておきましょう。
〇×問題をすべて暗記しているくらいの実力になる頃には、証券外務員の試験の範囲はほとんど理解できていると言えます。
この段階で計算問題までマスターしているなら、既に合格圏内の実力だと言えます。
5択問題と計算問題はすべて10点の問題です。
10点問題は合計で30問出題されるため、合計で300点満点です。
70%以上が合格ラインですので、得点になおすと308点です。
つまり、もしも、10点問題で満点の300点を取得すれば、残りの70問中4問の正解でも合格です。
10点問題の攻略こそが、証券外務員一種合格への鍵なのです。
1ヶ月の学習を継続したら試験を予約して模擬試験に挑戦
1ヶ月の学習が終了したら、試験の予約をして模擬試験にも挑戦しましょう。
まずは試験の予約をしなければ、緊張感も保てません。
自身の都合の良い日程で試験の予約をしましょう。
土日、祝日以外ならいつでも試験を受けることができます。
予約サイトはこちらです。
場所と時間を選択して、支払いを済ませば確認のメールが送られてきます。
受信したメールには、試験会場に持っていかなければいけない「確認書」もあります。
削除しないように気を付けてください。
40日目から45日目までに計算問題と5択問題を完璧にする
試験本番の日までの5日間は、5択問題と計算問題を集中的に練習しておくことをおすすめします。
先ほども説明した通り、合計で300点ある10点の問題を攻略することが、証券外務員一種合格の鍵です。
計算問題は何度もやっていけば間違えることはありません。
5択問題を何度も解くことで、その分野の全体像を知ることにもなります。
特に、計算問題は問題集よりも本番の方が優しく感じられます。
これは筆者の試験ですが、本番では自分の電卓を使用することができないため、複雑な計算問題は出題されないイメージです。
とにかく、10点問題は重点的におこないましょう。
過去に試験を落としている人の多くは、10点問題の攻略に失敗しています。
先輩たちの失敗から学ぶことも大事です。
証券外務員一種試験に役立つYouTubeチャンネルを2つ紹介
証券外務員試験一種の学習は専門的な用語も多く、理解ができない範囲もあるでしょう。
そういった場合は、YouTubeチャンネルで証券外務員試験の解説している動画もあるので、参考にしましょう。
学校の授業のように質問をすることはできませんが、テキストと問題集だけで独学するよりは理解の助けになります。
今回は、私が参考にしていたYouTubeチャンネルを2つ紹介します。
通勤時や散歩の際にも聞きながら学習できるので、ぜひ活用してください。
BKS
BKSは、証券外務員一種と二種の問題の解説をしてくれているチャンネルです。
実際の問題からひっかけの文章なども紹介しています。
テキストや問題集を広げることができないような環境の際には、聞きながら内容をインプットしていきましょう
ヒロジュンSRN
このチャンネルはかなりおすすめです。
筆者が特に何度も再生して学習していました。
特に複雑な計算問題などの解説は参考になります。
計算問題で躓いたらこちらのチャンネルを参考にしましょう。
また、株式会社の成り立ちの歴史なども解説してくれているので、それだけでもとても楽しく勉強になるチャンネルです。
試験当日は落ち着いてきちんと問題を読む
資格試験の当日の話をしましょう。
規則正しい生活や睡眠をしっかりと摂って体調を整えておくべきです。
体調不良だと本番の試験でも集中をすることができません。
スッキリとした頭で試験に臨んでください。
試験本番は誰もが緊張してしまうものです。
特に、すでに内定が決まっていて資格の取得が必須の人は、不合格が許されない状況の方もいるでしょう。
試験本番は問題集よりも少しひねった感じの問題も多く、すこし焦ることもあります。
しかし、落ち着きましょう。
時間はたっぷりとあります。ここからは、試験本番の注意点を紹介します。
試験当日に必ず持っていかなけれいけない2つのモノ
試験当日は会場に必ず持っていかなければいけないものが2点あります。
- 身分証明書
【運転免許証、個人番号カード(マイナンバーカード)、パスポート、運転経歴証明書(期間限定)、住民基本台帳カード、在留カード、特別永住者証明書】 - Prometric発行の確認書
【試験の予約をして入金の確認がとれると、Prometricからメールが来ます。その中にpdfファイルで、「確認書」が発行されています。こちらのファイルをプリントアウトして試験会場に持っていきます。試験の日程と場所を確認しておきましょう】
その他にも、試験が始まる前まできちんと復習ができるように、購入した問題集とテキストは持っていきましょう。
電卓の持ち込みは禁止でパソコンの電卓を使用|メモとペンを借りる
会場での本試験では、電卓を持ち込むことはできません。
計算問題はすべてパソコン上の電卓を使用することになります。
学習をしている間に電卓を使用していた方は、パソコンの電卓に慣れておく必要があります。
そのためにも、Web上にある無料の模擬試験問題の練習をしておきましょう。
Web上の模擬試験はこちらにあります。
「会員対策用」が証券外務員一種用です。
模擬試験は本番と同様の流れになりますので、必ず受けておきましょう。
また、パソコンの電卓は少し使い勝手が悪く、慣れておかなければ本番で焦ります。
模擬試験で計算問題の練習をしておけば、本番でもきちんと計算することができます。
本番の試験では、ボールペンと紙を渡されます。
計算問題でメモすべき部分はこれらを使用します。
試験会場によって異なるかもしれませんが、メモの紙が無くなれば追加できます。
気になる問題はチェックして再度落ち着いて回答すればOK
本番は緊張してしまいがちですが、落ち着いて一問ずつ回答していきましょう。
問題は全部で100問です。
計算問題や5択問題と〇×問題はランダムに出題されます。
問題の文章が学習してきた問題集と異なる場合もあるため、焦ってしまうこともあるでしょう。
分からない問題は飛ばして、100問全部を一度回答してしまえば、心も落ち着きます。
分からない問題があったら一度飛ばしてどんどんと次の問題にいきましょう。
もしも問題を飛ばしていても大丈夫です。
回答欄には、「再確認」ボタンがあるためチェックを入れておけば、100問終わったところで戻って回答できます。
終了ボタンを押す前には、必ずすべての回答を見直しましょう。
一度見直すことで、問題文の読み間違いなどのケアレスミスを避けられます。
特に計算問題や5択問題は、間違えると10点を失うことにもなります。
試験が終わると試験会場のスタッフから結果通知を渡される
パソコンでの試験が終わると、試験会場のスタッフの方には試験結果がプリントアウトされています。
スタッフから試験結果を受け取れば、本番の試験は終了です。
試験結果は日本証券業協会が発行している「外務員資格試験受験結果通知」です。
合格ラインは70%以上の得点。
合格の場合は、結果通知に以下のように記載されています。
「あなたは、一種外務員資格試験を受験し、その結果、70%以上の特典であったことをお知らせします。」
プリントアウトされた合格通知に関しては、絶対に紛失しないように大事に持ち帰りましょう。
再発行はしてくれません。
この結果通知書に書かれている「Prometric ID」と「試験日」のデータは、外務員登録をする際に必要です。
試験に合格したからといっても外務員の職務はおこなえない
外務員資格試験に合格しても、外務員の職務をおこなうことはできません。
こちらは、外務員試験の勉強をしていれば、理解しているはずですが念のためにお伝えしておきます。
外務員として働くためには、所属している協会で外務員登録をした後、講習を受けることで営業が可能になります。
もちろん、一度資格試験に合格していれば、資格試験に通ったことが抹消されることはありません。
試験合格後は、所属している協会に登録の申請をしましょう。
試験に落ちてしまったら30日後に再挑戦すればよい
証券外務員試験は難易度が低いとされていますが、学習する内容は専門的な部分も多く、問われる内容は決して簡単とは言えません。
結果的に70%に満たない点数で、不合格通知を受けてしまうこともあるでしょう。
この場合、1ヶ月間ほどは再試験をすることはできません。
自分の苦手な部分を洗い出し、きちんと復習をしましょう。
自分の苦手な分野を攻略すれば、再試験時に合格点にグッと近づきます。
証券業務はお金を扱う仕事であり、信用の売買や受け渡しをすることでもあります。
資格試験にだけ通れば良いと考えるのではなく、きちんと仕組みや規則を理解して、実際の業務でも応用できるように学習しましょう。
資格試験合格よりも先の将来のために学習をすれば、ちゃんと合格できます。
まとめ
証券外務員一種の試験は、誰でも受験可能で短期間で取得できるコスパ最高の資格です。
試験をすることは単純に資格を得るだけではなく、その分野の学習を効率化させてくれます。
実際に合格した筆者のスケジュールは45日間での合格です。
今回は合格するまでの学習スケジュールを紹介しました。
実際に学習した時間は1日に2時間程度です。
このペースで学習していけば、証券外務員の業務内容や証券会社の仕組みを理解することが可能です。
試験までに用意するものや、試験の方法も紹介していますので参考にして合格を目指してください。
証券外務員一種に関しては、以下の記事も参考にしてください。