世界的にも、日本国内においても今後はSDGsを無視して経済活動を行っていくことは出来なくなっています。
これは個人消費や個人の日々の生活も含んでいます。
SDGsには数多くの目標や取り組みが掲げられていて、目標3の中には薬物やアルコールなどに言及している部分もあります。
この記事では、 SDGsの目標3から依存症に関する内容を取り上げて、取り組みとして何から始めるべきなのか解説しています。
SDGsの細かい内容を知りたい方や、依存症者と接することが多い方はぜひ参考にしてください。
目次
SDGsの目標3とは?「すべての人に健康と福祉を!」は依存症にも焦点
どんな人でも一生の間に何らかの病気や怪我をします。
また、人は歳老いていけば、若い頃ほどの体力もなくなっていきます。
SDGsの目標3では、病気や怪我、生きるのにハンディキャップがある方や高齢者に適切な医療と福祉を与えられるようにすることを掲げています。
SDGsの目標3には数多くの細かい実践方策が設定されています。
この中には、薬物やアルコールなどの物質乱用の防止や治療を強化することも明記されています。
以下は本文の引用になります。
3.5薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
3.a 全ての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
外務省ホームページ(引用元:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html)
これからは、依存症も対策すべき事柄と相手、地球市民である私たち一人ひとりが取り組んでいくことが大事です。
実は、この SDGsの目標は17個あり、細かくは169もの方策があります。
一人や一つの組織が全てに対して行う事は難しいのが現実です。
一人ひとりや一つひとつの組織が出来ることを行っていきましょう。
薬物とアルコール依存症は世界的な問題として認識されている
日本国内で感じることは多くないかもしれませんが、薬物やアルコール依存症は世界的に非常に問題になっています。
日本では、24時間365日お酒を飲むことが可能ですし、早朝に道端でサラリーマンが寝ていたとしても特に誰も気にしません。
見慣れた光景だからです。
アルコールは法律で禁じられていませんし、誰にでも飲酒の権利があるのです。
むしろ、接待などの席ではお酒を勧めることが礼儀である場合もあります。
日本人が海外に出かけた場合、大きな文化の違いにショックを受けます。
例えば、アメリカの場合はどうでしょう。
日本とは異なり、多くのホームレスの方が道端で生活していますが、彼らの多くは薬物の依存症です。
常に何かをつぶやいていたり、普通ではない行動をくり返しています。
しかし、アメリカではその光景が日常になっているのです。
誰も気にすることはありません。
アメリカにおいては薬物依存症の問題は日常にあふれているのです。
逆にアメリカに住んでいる方が日本に来た場合は、日本人のお酒の文化に驚くようです。
アメリカではスーツを来たサラリーマンが、道端で酔っ払って寝ているということはほとんどだからです。
世界的に見て、薬物依存の問題は日常の光景になってしまうまでに広がっています。
このことから SDGsでも依存症の問題を重く見るようになっているのです。
日本で依存症は意志の問題とされていまう
日本国内でのアルコール依存症者へのイメージは「意志の弱い人」とする傾向が強いのが現実です。
また、薬物依存症者に対しては犯罪者というイメージが強い傾向にあります。
もちろん、薬物は違法である以上、犯罪者に変わりはないのですが、依存症を病気であるという認識は一部の方か医療関係者の中からでしかなされていません。
アルコールは合法であり、多くの方が楽しみます。
そのため、お酒にだらしないというのは意志が弱いという事にされてしまうのです。
お酒を勧めることが一つの礼儀であるにもかかわらず!です。
意志の問題という事は、つまるところ個人の問題とされてしまいます。
個人の問題は個人で解決を迫るのが日本の文化でもあります。
個人の問題として認識されてしまえば、依存症の問題を社会的に改善していこうという思考は無くなってしまいます。
つまり、依存症の問題は解決が遅くなるどころか、さらに広がっていってしまうのです。
日本国内が依存症の問題に対して後手になっているのは、こういった文化的な土壌があるからなのです。
アルコール依存症が病気であるかどうかの議論を超えて
問題なのは、薬物やアルコール依存症が病気であるとするかどうかという事ではありません。
事実として、依存症は、依存症者本人だけではなく、その家族や知人・友人、会社に大きな問題を与えます。
つまり、依存症は解決すべき問題だという事は事実なのです。
大事なのはこの依存症の問題を「どのように解決していくか」という事です。
依存症を病気と認めるかどうかは、解決策を見出すためのプロセスに過ぎません。
まずは、依存症の問題をどのように解決づることが出来るのか考えてみることが大事です。
依存症を病気であると認めるのは、病気の原因を突き止めようとする過程です。
依存症の問題を解決するための方法を模索することに、思考を集中させましょう。
SDGsの目標3の取り組みとして依存症の問題に何ができる?
SDGsnの目標3、依存症の問題を解決するための取り組みとして、まずは依存症の問題を知るという事が行動として挙げられます。
依存症の問題を伝える医療関係者の団体は多く存在していますし、依存症者同士がお互いに助け合う自助会も数多く存在しています。
依存症を問題として捉えている方の多くは、解決策を見出そうとしていますし、具体的な行動も起こしているのです。
依存症の問題を解決しようとしている依存症者本人たちの努力も必要となりますが、一般的な人々の協力も必要となります。
学校教育などでは、これらの依存症の問題を啓蒙するシンポジウムを取り入れるなども進んでいます。
依存症者を家族や友人、会社員として持っている方々への接し方も学ぶことが出来るようになっています。
自身の周りに依存症者がいてなんらかの問題が生じている場合は、依存症の回復プログラムを担っている団体や医療機関に相談してみるようにしましょう。
依存症に対する SDGsへの取り組みはこちらの動画でも詳しく解説されています。
まとめ
SDGsは、世界全体が抱えている問題を世界全体で解決していこうという目標を掲げています。
世界の問題を解決するためには、世界を担う最小単位である個人による取り組みが大事です。
SDGsの目標3で掲げられている「すべての人に健康と福祉を!」の中には、薬物やアルコールへの依存症へも対策をすることが明記されています。
日本の文化的な土壌では、依存症を意思の問題として、個人の責任として落とし込むことが多くあります。
個人の問題にしてしまう事が、依存症の問題解消の遅延や広がりを許してしまうことにつながっています。
SDGs の目標3「すべての人に健康と福祉を!」を実現させるためには、まずはこの依存症という問題を認識するところから始めていきましょう。