「20歳以上になると合法的にお酒を飲めるから問題が無い」と、考えている方も多いです。
法律的には問題ありませんが、心や身体の健康と法律とは関係がありません。
法律で規制されるほどに依存症が問題になるのは、社会的な悪影響が出た時。
場合によっては大事件にも発展するために、薬物等に関しては法律によって規制されます。
そもそも薬物やアルコールが法律的な規制をされるのは、人間個人の意志ではコントロールができないからです。
合法」であれば大丈夫だと考えている方もいるかもしれませんが、これは大きな間違いです。
法律は社会的に規制をするだけであり、「依存しない」ということを保証するモノではありません。
この記事では、依存物と法律が乖離している部分を解説します。
※この記事は、危険な薬物やアルコールに対して注意を促すものであり、決して勧めるものではありません。
目次
依存症は心と身体の問題であり法律の規制は追いつけない
アルコール依存症も薬物依存症も、個人の心と身体の問題であり法律によって規制ができるわけではありません。
もちろん、法律は個人を守るためのルールでもあります。
しかし、世の中に流通する最新の薬物を規制するほど迅速に制定される訳ではありません。
社会や市場は常に変化しているため、新しい危険な薬物も進化しています。
さらに、法律はすべての薬物に対する規制ができる訳ではなく、法律の規制をすり抜けてしまう薬物も存在しています。
したがって、依存症の問題を抱えている個人は、危険な薬物が法律によって規制などできないものだと理解しておくべきでしょう。
かつては、日本国内でも法律も無く一般的な理解も少なかったために問題が大きくなったことがあります。
昔は薬物を薬局で販売していた?
びっくりするほど最近まで、依存症になってしまう強い薬物が日本国内でも合法的に手に入りました。
1945年まで日本は戦争をしていましたが、戦後でもヒロポンという薬物が一般的な薬局でも販売されていたようです。
ヒロポンの副作用は強く、禁断症状によって苦しむ人々が増加。
当然ですが、現在では法律で厳重に規制されています。
戦後の数年間は、ヒロポンのような危険で強い薬物でも一般の人が容易に購入できて、容易に使用することが可能でした。
一般的に薬局で販売している薬は、安全なものだという勝手な思い込みにより被害は広がりました。
シンナーへの法律的な規制は無かった
シンナーの使用は1970年代前後に若者の間で広く普及しました。
そもそもペンキなどを薄めるために使用されているシンナーですが、蒸気を吸引する事で酔っ払った感覚になります。
脳の中枢神経を麻痺させる効果があり、乱用すると中毒症状を引き起こします。
シンナーによって中毒症状に苦しむ若者が増加して、社会問題になりました。
その後、シンナーは、1972年に販売と使用が法律によって規制されています。
ただし、シンナーは現在でも大きな問題として残っていますし、中毒症状に苦しんでいる方もいます。
「合法ドラッグ」は「危険ドラッグ」や「違法・脱法ドラッグ」に改名
戦後だけではなく、つい最近でも薬物が手に入りやすい時代がありました。
「合法ドラッグ」や「合法ハーブ」として販売されていた薬物は、2007年になってはじめて法律によって禁止されました。
しかし、2007年4月に施行されたこの法律ができる前は、若者を中心にして流行していたことも事実です。
これらの薬物は、化学式を少しだけ変化させることにより法律をすり抜け、合法という名目で広告宣伝されています。
インターネットでの通販も普及し始めたことも助け、売上を大きく伸ばしています。
アダルトショップでも店頭販売されていたため、口コミサイトの噂話は若者を惹きつけました。
「合法だから大丈夫!」は凄く危険
「合法だから大丈夫」という軽い動機は、薬物に対して危険な考え方です。
これまでも解説してきたように、法律は決して、心や身体に悪影響であるということを規定するものではありません。
歴史的な事実が証明していますし、法律の規制はなく個人の采配に任されている食事もあります。
たとえば、お醤油や塩は法律で規制されていませんが、使用のし過ぎは身体に毒です。
命を落とす危険すらあります。
ところで、お酢や醤油などの調味料は精神的な陶酔感を引き起こすのに膨大な量が必要になりますが、薬物は少量でも大きな影響を及ぼします。
しかも、薬物を販売する人々は、「合法」「法律に触れていない」という文句で宣伝することが可能です。
こういった宣伝文句につられてはいけません。
合法ドラッグの事例で見てきたように、合法であっても心と身体に悪影響を及ぼすモノは多く存在します。
法律に関係なく精神に影響を与えるすべてのモノを避けるべき
それでは、こういった「合法」というキャンペーンからどのように身を守れば良いのでしょうか?
「合法」という宣伝文句などによる危険な薬物から身を守る方法は、すべての精神に影響を与える飲み物や食べ物を避けるべきだということです。
これは、怪しい薬物に限ったことではありません。
食べ物には、少量のアルコールを含んでいるものもあります。
フランス料理や身近なお菓子で言えば、チョコレートやパイなどもアルコールを含んでいるものがあります。
これらの食品は法律で規制されているわけではありません。
専門的な医者の指示が無い薬に関しては、すべて避けるべきです。
心と身体を薬物から守るのは、「すべて避ける」ことが最適な方法だと言えます。
法律で規制されるようになるのは悪影響が広がってから
法律は薬物が危険と認定されてから規制されます。
つまり、法律は悪影響が出るよりも早く制定されることは無く、常に遅れてから制定されます。
法律の制定も識者によってある程度の予測をおこなって制定されますが、少なくても人間個人の心や身体に影響が出る前に法律によって守られることは無いと考えるべきです。
また、法律は依存症者を守るというよりも、依存症者による社会的な悪影響を防ぐ意味合いが強いものです。
私たち個人ができることは、法律ですでに規制されている薬物はもちろんのこと、法律で規制されていない食品や薬物に対しても注意すべきです。
楽しいという感情は簡単に手に入らない
そもそも、なぜ依存症者や若者は怪しい食品や薬物に手を伸ばしてしまうのでしょうか。
お酒や薬物に手を出してしまう理由は色々と考えられますが、簡単に「楽しい」という気分や「爽快」な気分になりたいという側面があります。
しかし、実際はそういった「楽しい」「爽快」な気分は簡単に手に入りません。
お酒や薬物は手っ取り早く気分を高揚させたり、癒してくれる効果があります。
しかし、それは一時的な感覚に過ぎません。
お酒や薬物によって快感を得ても、後々になって気分を大きく落ち込ませる作用もあります。
「楽しい」という感覚は、個人によって異なりますが、多くの場合は好きなことに熱中していたり、自分自身の努力によって成長を感じている時に爽快感を感じます。
楽しみは他人と比べることなく、自分自身の成長に価値を置くべきでしょう。
仕事も趣味も恋愛も、人に迷惑をかからないように自分が楽しいと思えることを追求すべきです。
まとめ
依存症になってしまう危険な薬物や食べ物は、すべて法律で規制されているとは限りません。
特に、日本国内では最近まで人間の精神や身体に大きな悪影響を及ぼす薬物が一般的に販売されていたこともあります。
こういった危険から身を守るためには、精神に作用する食べ物や飲み物、薬物からは距離をとって避けるべきです。
危険な薬物に対する法律的な規制は、どうしても悪影響が出てからの処置になってしまいます。
アルコールや薬では本当の楽しみは手に入りません。
個人としての楽しみを追求して努力し、成長していくことにこそ人間は喜びを感じるものです。