断酒を始めると、絶対と言ってよいほど経験するのが飲酒欲求です。
飲酒欲求と上手く付き合い再飲酒をしないようにするためには、飲酒欲求の正体を知るという必要があります。
実は飲酒欲求の正体は個人によって異なり、感情的な部分が大きく関係していきます。
この感情的な部分を言語化して分析すれば、どのように対応すればよいのか見えてきます。
この記事では、飲酒欲求の中で多くの方が経験する感情的な部分を分類しています。
飲酒欲求を乗り越えたいと考えている断酒中の方はぜひ参考にしてください。
目次
断酒中に襲われる飲酒欲求は細かく少数に分解することできる
断酒中に襲われる飲酒欲求は、細かく分解して分析することができます。
断酒中に襲ってくる飲酒欲求が実際には何なのか知ることによって、その都度対応することが出来るようになり、乗り越えることが容易になります。
いつも一言で飲酒欲求として片付けてしまっている感情一つひとつをまずは分解してみましょう。
例えば、「イライラするから飲む」「不安になってしまうから飲む」「過去の記憶を消すために飲む」「心を落ち着けるために飲む」「嬉しいから飲む」などです。
まずは言葉で分解していくことで、自身が陥っている飲酒欲求をつきつめていきましょう。
断酒中の飲酒欲求を引き起こす不快な感情や状況
断酒中の飲酒欲求を引き起こしているのは、不快な感情や状況です。
多くの場合は、こういった不快感から逃れたいがために飲酒欲求が起こります。
それらの飲酒欲求の原因を知ることによって、それぞれの感情や状況に対して対応していきましょう。
多くの方が飲酒欲求を感じる不快な感情や状況は以下の通りです。
- イライラや嫉妬、憎しみの感情
- 不安や恐怖、孤独や悲しみの感情
- 経済的な問題や仕事の問題
- 有頂天になっている時も注意が必要
- 多くの場合は人間関係がによるもの!距離感を掴むしかない
飲酒欲求に陥った時には、どのような感情や状況が飲酒欲求を引き起こしてるのか認識するようにしましょう。
イライラや嫉妬、憎しみの感情
飲酒欲求を引き起こす感情にはイライラや嫉妬、憎しみなどの感情があります。
これらの感情を引き起こす原因は、過去の恨みや恋愛関係などのこじれ、友人関係や家族との関係から起こります。
特に恋愛の感情は非常に強く、少しの心のすれ違いでも激しいイライラや嫉妬、そして憎しみに変化してしまう事があります。
多くの医師がアルコール依存症者に対して、断酒の初期には恋愛を避けることを勧めるのは、激しい感情によって再飲酒をしてしまう事を避けるためです。
こういった、イライラや嫉妬、憎しみの感情に襲われて飲酒をしたくなったら、とにかく体を動かすなどして感情から気をそらすことが大事です。
断酒に慣れてくれば、こういった激しい感情でもコントロールして原因を追究し解決することが出来るようになります。
断酒期間が短くて、どうしてもイライラなどの感情をコントロールできない方は、こちらの記事も参考にしてください。
不安や恐怖、孤独感や悲しみの感情
断酒中には不安や恐怖、孤独感や悲しみなどの感情も再飲酒の原因となっていまいます。
アルコールを飲んでいると、人の心は開放的になり居酒屋などの飲みの席ではトラブルは多く起こります。
そういったトラブルが起こった次の日は、非常に後悔してしまいますし、自分の行いに不安感や相手や同席していた方に対する恐怖心も芽生えます。
また、習慣的に飲酒をしていた方ならわかるかもしれませんが、酒うつによって孤独感や悲しみの感情も起こります。
言葉にはならないような不安感や恐怖感も起こりますし、なんとも言えない孤独感や悲しみに苛まれることもあります。
この孤独感や悲しみを解消するためにお酒に手が伸びてしまうのです。
こういった感情に陥った時には何らかの形で、誰かとの関係を作ることです。
経済的な問題や仕事の問題
断酒中には経済的な不安や仕事の問題も飲酒欲求になってしまいます。
お金、経済的な不安感はほとんど拭い去ることができず、常に不安を感じながら生活していかなければいけません。
そのため、仕事をしている間でもいつ解雇になってしまうかもしれないという不安を抱えながら仕事を続けていくことになってしまうのです。
不安感を抱えながら仕事を続けていると、集中力が途切れてミスも多くなり、クレームや叱責を受けることも多くなってしまいます。
そうすると、更に不安感が募りミスも多くなるという悪循環に陥ってしまいます。
お酒に問題があり、お酒によって多くの信頼やクライアントを失ったという経験がある方は、仕事よりも断酒を継続することを優先するという事も選択しての一つに入れておくべきでしょう。
自身に合わない仕事や職場なら、すぐに転職をすることを考えましょう。
断酒が継続できなければ、結局のところ経済的な不安も抱えてしまう事になります。
お酒を飲むことで一瞬だけ忘れられる不安感は、お酒が覚めた瞬間に数倍になって襲ってきます。
有頂天になっている時も注意が必要
断酒中に飲酒欲求はなにもネガティブな感情や状況だけではなりません。
とても楽しかったり興奮するような状況でも飲酒欲求はわいてきます。
例えば、久しぶりの友人に会うような同窓会の様な場所や、結婚式の様な場所では興奮しますし、幸せな気持ちで有頂天になってしまう事もあります。
そんな有頂天になっている時には何の注意もすることなく、お酒を飲んでしまうという事もあります。
楽しくて幸せな気分、有頂天になっている時にも飲酒欲求はありますので注意が必要です。
多くの場合は人間関係によるもの!距離感を掴むしかない
最後に、一旦のまとめとして飲酒欲求がわく状況を伝えておきましょう。
飲酒欲求が出る状況は人間関係によるものが多いという事です。
ネガティブな感情も、ポジティブな感情もどちらも環境による要因が多く、特に人間関係によってもたらされます。
したがって、飲酒欲求を気を付けるためには、人間関係に気を付けることが大事だという事がわかります。
先ほど、紹介してきたように人間関係のこじれが感情のこじれにもなっています。
しかしながら、実は個人の感情を癒すのも人間であります。
つまり、人間関係に依存しすぎると危険ですし、人間関係から離れてしまうとこちらも危険なのです。
つまり、人間関係を良好にバランスをとることが大事になるのです。
飲酒欲求を抑えるためには、原因となる人間関係の距離感を掴むようにしましょう。
自分自身の飲酒欲求の正体を知れば対策方法も見つかる
断酒中の飲酒欲求は、その正体を知れば対応をすることも可能です。
断酒中の飲酒欲求に対しては、原因も分からずにいつの間にか再飲酒をしてしまっていることも多くあります。
そのため、個人によって異なる原因があります。
それは、感情的な問題かもしれませんし、生活している環境によるものかもしれません。
このネガティブな感情から逃れたい。
この楽しい感情を更に増幅させたい。
モチベーションは異なります。
しかしながら、一つだけ事実なことがあります。
それは、アルコールに問題がある人にとっての再飲酒は、さらに生活や感情を悪い状況に陥らせてしまうという事です。
飲酒欲求が起こっても対応するためには、逆に自身の問題に対して目を向ける事です。
最初は自分の問題に直接立ち向かう事は非常に大変ですが、立ち向かう事こそが自身の問題を分析することに繋がり飲酒欲求を乗り越えることになるのです。
飲酒欲求を知るという事は自分自身と向き合うという事
断酒中に飲酒欲求に立ち向かう事は、自分自身と向き合う事にもなります。
実は、自分自身を知るという事は非常に大事だとする言説は多くありますが、実際に自分自身に向き合う機会や時間はないのが現状です。
断酒中の飲酒欲求は有頂天になっている時以外は、自分自身の弱い部分やコンプレックスとしている部分が飲酒欲求の根本原因になっていることが多いです。
この断酒中の飲酒欲求は考え方によってはチャンスでもあります。
この飲酒欲求と向き合う事で、自分自身とも向き合う事が出来るのです。
幸せな人生を送るためには自分自身を知ることであり、飲酒欲求を分析することは、自分自身がどのような状態が幸せなのか知ることが出来るのです。
まとめ
断酒を始めると必ず立ち向かってくるのが飲酒欲求です。
この飲酒欲求を避けて通る訳にはいかないのですが、飲酒欲求に耐えることが出来なくて再飲酒してしまう方は多くいます。
飲酒欲求とはいっても、一つだけではありません。
その飲酒欲求は個人の弱みやコンプレックスが異なるために、飲酒欲求が何なのか細かく分けて分析していかなければいけません。
まずは、この記事で紹介した「イライラや嫉妬、憎しみの感情」、「不安や恐怖、孤独感や悲しみの感情」、「経済的な問題や仕事の問題」、「有頂天になっている時」、などに注意しましょう。
多くの場合が人間関係に根差していることが多いです。
しかし、人間関係なしには人は生きることも出来ません。
自分自身にとって有益な人間関係を築くことが大事でしょう。
自身の飲酒欲求と向き合う事は、実際には自分自身と向き合う事でもあります。
自分自身がどのような人間か知り、幸せの方向を見つければより良い人生を送ることにもつながります。
断酒中の飲酒欲求は自分と向き合うチャンスでもあるのです。